touch one’s heart|中本 典子

自己紹介をお願いします!

もともとはラジオやテレビなどマスコミ業界に憧れがあり、当時はとにかく面白いものを作りたく、人を笑わせる仕事がしたいという想いがありました。
また、学生の頃から、休みのたび海外に興味があり、アメリカに住んで仕事ができたらいいなという夢がありました。

その2つの夢をかなえたくてアメリカでマスコミの会社をさがし、雑誌とラジオをやっている会社に入社しました。

そこで感じたことは、あらためて自分のやりたいことに向き合ったとき、マスコミは見えない不特定多数の人を楽しませるものですが、視聴者の反応が見えず、自分の企画がどのような反応なのかを知りたいと感じ、もう少しライブ感が楽しめる仕事に興味をひかれるようになりました。

その様な想いの中で仕事を探す中、結婚式の仕事に出会いました。結婚式はTVなどのイベントをつくることと本当に似ていて、1つの番組を作るようにその人の1日を作るという点では同じだと思いました。
自分のアイデアで人を幸せにするステキな1日を作るという点で、結婚式業界に興味を持ち、応募したのがTAKE and GIVE NEEDSでした。

入社し、1ヶ月くらいしたところで、この仕事は一生続けていたい、と思うくらいに楽しいものでした。

ただ会社の中では会社としての枠組みがあり、選択肢がその中に限られるという現実がありました。
そういった枠を超えて、新郎新婦様に寄り添いたい、1組1組にもっと時間をかけたい、という思いが強くなっていき、その後現在の会社を立ち上げ独立致しました。

当時、カリスマプランナー賞表彰

全国で1000人ほどいる中で、パーティの様子を撮影した動画や進行の資料、自分の企画やどういう想いで企画をしたかという資料を出し、新郎新婦様やゲストに会社がリサーチを入れ、その声を全て拾って、総合点で決まるようなものでした。当時、ありがたいことに選ばれ、表彰されたことがあります。

様々なサプライズを結婚式準備段階から何カ月にもわたり仕掛け、「ご両家の親族・友人がつながる」というテーマが実際、結婚式後実現し、ご両家の親族・友人が連絡を取り合う仲になったことが表彰のポイントになったようだったのです。
当時、新郎新婦様に喜んで頂きたいという想いで、お二人についてたくさんのカウンセリングをし、のめり込むようにサプライズについて考えていました。

サプライズと言っても皆の前で何か仕掛けるような大きなものだけでなく、例えば、「本当はご新婦が元母親に会いたい」と私につぶやいたことがあり、とても繊細なお話しなのですが、どうすればお母さまと連絡が取れるか、お母さまに連絡して、当日近くまで来てもらってご新郎に会って頂くことはできるのか、時間をかけながら当日、新婦様の想いを実現させたこともあります。

そういった声を拾うために打ち合わせに時間をかけたかったのですが、当時担当組数が多かったために時間をかけられず、もっといろいろ新郎新婦さんの話を聞いて、実現したいことができないこともあり、その時は本当に悔しい思いでいっぱいでした。
もっと二人にかけられる時間が欲しいと思ったのが正直なところですね。

結婚式で大事にしていること

アメリカに行った時に、ラスベガスでショーをたくさん見たんですね。
そのショーを見て規模の違いに驚き、人間ってこんな風なことできるのだなぁ、こんなに言葉がわからなくても感動できるんだと、ずっと記憶に残る感動、余韻というものを感じ、その時に、こういう仕事がしたいなと思ったんです。こういうライブ感の舞台を作りたいという思いで結婚式の仕事を選びました。

なので、結婚式で、人生が変わるような時間を作りたいという想いがあります。
素敵な舞台や映画を見た時に感動や楽しさを感じるように、結婚式という時間を共有することで感動するって素敵だなとか、自分も結婚したいなとか、日常では味わえない瞬間を作ってそのゲストに記憶に残る時間にしたいと思いました。

今までのパーティで、新郎新婦のキーワードからいろいろな演出をしました。
会場を映画館のようにしてみたり、ディーラーを呼びカジノをしてみたり。
カジノをしたことがないゲストもこんな時しか体験できない本物を体験していただき、お二人の好きなことに触れていただくことで、ゲストにとっての記憶に残る経験をして頂く演出もいろいろ考えました。

現在、装飾にかなり特化された披露宴が多く、いわゆるインスタ映えするものなどが多いのですが、目で見えるものだけではなく、ゲストにお二人の人生・想いなどを伝えるために音楽・BGM・ナレーション・演出を考えることで、更に2人らしい、記憶に残るパーティになるかなと思い、プロデュースしています。

結婚式を作り上げる時に費やす時間、2人と過ごす時間は本当に大切だと思っているので打合せ回数は無制限でしています。もちろん忙しい方もいるので会う時間だけじゃなくSkypeやLINEなどオンラインの連絡もあります。
結婚式は作業が多く、プランナーや会場スタッフサイドは、
効率化を考えてしまいがちなのかもしれませんが、
新郎新婦さんの一生に一度しかない結婚式ですし、
初めてでわからないことばかりで、不安がいっぱいだと思います。
細かいことも相談にのれる存在であり、
二人が準備を時間や予算であきらめず、できるようにサポートできればと思っています。

私はお二人から「なんでも気軽に言える相手」になりたいですね。
友達がプランナーだったらなんでも相談しちゃう、それくらいの距離感で、なにかあったらすぐに頼ってもらえるような距離感でいたいです。
とにかくお二人とより添って時間を費やし、準備することで、お二人が最後に心から納得できる結婚式をつくることができると思っています。

ビジネスとして考えると非効率かもしれないですが、会場に属さずフリーの立場として二人側のプランナーだからこそできる、時間の使い方を提供していきたいと思っています。

今までのお客様も、打ち合わせ回数はだいたい10回~15回くらいですし、普段のLINEのやりとりの数は数え切れないくらいですね。だから新郎新婦さんからいただく言葉として多いのが、「ここまでやってくれると思わなかった」「こんなにやってくれるなんて、プロデュース料安すぎですよ!(笑)」っていう感じなんですね。

サービスを超えたサービスではないですが、お二人が結婚式について考えるサービス、それ以上の「ここまでやってくれるの!」と思って頂けるような付加価値を感じて頂けるようなサポートをしていきたいと思っています。

お二人が新郎新婦から選ばれる理由とは?

新郎新婦の方とかなり仲良くなってしまうんですね、本当に友達のような。この間は新婦のお母さんとご飯に行くこともあって(笑)
とても多くの時間をかけて寄り添っているので、本当に家族ぐるみのお付き合いになることも多いです。

お母さんと新婦と女子会したりなんかもあったりしました。

やっぱり「ここまでやってくれる!」っていうことを卒花の皆さんがSNSやブログ等で書いてくれるんです。それを見てきてくださるという感じが多いですね。

他とは違うところ

これは我々の売りでもあるのですが、特別なスタッフがチームにいるということがあるかと思います。

フラワーコーディネーター、ドレスコーディネーター、ヘアメイクさんそれぞれが各業界でスタイリストからアートディレクションまで行っている人なんです。
それぞれ本当に信頼できるメンバーで、フラワーコーディネーターさんはある有名企業の会場装飾からデザインから全てやっている人、ドレスコーディネーターさんは紅白歌手の衣裳作成も務め、空間コーディネーターも務め、ヘアメイクさんは雑誌のスタイリストも務めています。

私が信じる最高のアーティスト集団がチームにいますので、私がお二人のカウンセラーとして深いところまで寄り添って引き出し、こちらがやりたいとしているものをその道のプロたちが最大限の形にしてくれることが1番いい結婚式の形だと思っています。

そのプロの力が120%出せるような関係性だったり、環境になっていることが私たちの売りでもあります。

印象に残っている結婚式はありますか?

映画会社の2人で、おふたりが好きな映画や舞台のようなものを作りたいというところから披露宴を作った結婚式があります。

コンセプトが「終わりなき旅」にしました。
「人生とは旅だよね」という会話から、結婚もゴールではなく中間地点であり、これからどんな旅をしていこうか、というストーリーを舞台のようにした結婚式にしました。

ストーリーが書かれた招待状・プロフィールブックなどのペーパーアイテムを作ったり、ふたりが座るメインテーブルは、休憩する公園のベンチをイメージして、
木や芝、ベンチ、旅の地図やトランクなどを使って、空間装飾しました。
披露宴スタートは、司会のアナウンスから始まるのではなくて、ゲストが世界観にはまってほしいと思ったので、舞台の開演のようなイメージで、ゆっくり照明が暗くなっていき、それに合わせてBGMの音量を上げていくことで、ゲストに何か始まるという印象を与えました。
そのあと、メインテーブルにスポットが当たり、司会者がストーリーをあえて影アナすることで、より世界観をだす演出をしました。
なかなか伝わりづらいので、映像でぜひ、見てほしいところですが・・
披露宴のラストは新郎が絵を描くのが好きだったので、新郎作のパラパラマンガでエンドロールをしたんです。2人の出会いから一緒に歩んでたくさんの人と出会っていく人生をパラパラ漫画で描いてもらいました。

旅をイメージするトランクに世界中の缶詰を詰めて、飾っていたんですけど、いろんな旅グルメをゲスト皆さんに味わってもらいたくて、最後のプチギフトは缶詰にしました。

アイテム・照明やBGM・司会コメント・空間装飾と細かい部分までたくさんこだわって、おふたりとの打ち合わせは、15回ぐらいしたと思います。
プロフィールムービーのロケ撮影で1日一緒に思い出の場所回ったり、引出物を選びに厚木まで一緒に車で行ったときは、一緒に温泉入って、サービスエリアで打ち合わせしたりして、本当に楽しかったですね。
私もプランナーになり、長いですけど、温泉に一緒にはいったのは、初めてです(笑)

結婚式前日に、ふたりからお手紙をもらって、『パーティまでの作業が明日1日のためだけでなく、今後の夫婦生活の中でもきっと、僕たちを支えてくれるような気がします。宴は始まっていませんが、披露宴をやってよかったと、そんな想いすら抱く前日の夜です。』書いてあった文章が、まさに私が大切にしていることだったんです。

私が一番に思っているのは、披露宴の準備でふたりが本気で話し合い、1つのものに取り組む姿勢を作ることで、今後、夫婦生活で、何か起こっても、お互い向き合って、話し合っていけると思うんです。
結婚式はゴールではないですからね。
私が「結婚式を挙げる意味」として大切にしている部分をおふたりに感じてもらい、
お手紙で頂いたことが本当に嬉しかったです
結婚式は、ゴールでもなく、親のためだけでもなく、今後のお二人のために行うのが、結婚式だと思っています。

中本 典子|フリーウェディングプランナー
中本さん
中本さん

ロサンゼルスにてラジオ・イベント企画などを手掛けたのち帰国。

その後、ウェディングプランナーを経験し、大手ウェディングプロデュース会社にて

カリスマプランナー賞などを受賞。自らが好きだった芸能人のウェディングも手掛けた。

多くの幸せの瞬間に立ち会いながら、より本質的な喜びを追い求めるため独立。

【寄り添う】ことに特化し、二人の想いを形にし続けている。